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自律神経を整えると親子関係が楽になる!

目次

子供に怒りをぶつけてしまうとき

ストレスを受けると、交感神経が過覚醒になり、恐れ、圧倒され、過度に警戒します。
気持ちの余裕がなくなり、体に力が入り、声も硬く大きくなり、視線もキツくなります。
ストレスで交感神経系が優勢になると「戦うか逃げる」反応をします。

例えば、子供が宿題をやらずにゲームばかりしていて注意しても無視するとします。
このような場面に直面すると私たちの交感神経系は活性化します。

子供に詰め寄り、睨みつけ、怒鳴りつけ、ゲームを取り上げるとき、「戦う」反応をしています。
子供は自分よりも力が劣るので「逃げる」反応はあまりないかもしれません。
しかし、自分よりも力をつけて暴れたり暴力を振るうようになると「逃げる」反応が出てくると思います。

交感神経系が優勢になると「戦うか逃げる」しかできなくなります。
子供を怒らないようにと我慢していても体の中ではアドレナリンやエンドルフィンが出ています。
これらの化学物質は「戦うか逃げる」行動のために出ています。

気持ちを落ち着ける方法

交感神経系は「戦うか逃げる」反応をするために活性化します。
そのため実際に戦ったり逃げることができると気持ちは落ち着きます。
しかし、子供に対して戦ったり逃げたりすることは問題が生じます。

その代わりに交感神経系を落ち着かせる方法はたくさんあります。
一つは誰かに話をすること。
パートナーに話をして話を聞いてもらいます。
ここで大切なことは話を聞く方は、共感して傾聴することです。
共感と傾聴がないと話をしても交感神経系は落ち着きません。

ひとりでできる方法もあります。
手足に触れるのはとても良い方法です。どちらかの手でもう片方の腕を触ります。
肩のあたりから指先に向けて優しく撫で下ろしていきます。
何度か行ったら別の腕を触ります。
同じように足も片足ずつ上から下に優しく撫でていきます。
このように手足に触れることで、交感神経系を落ち着けることができます。

また、呼吸法でも気持ちを落ち着けることができます。
鼻呼吸で少し吸い、口呼吸でゆっくりと長く吐いていきます。
吐くときは口笛を吹くように口をすぼめます。
呼吸法については、上の動画の(11分30秒から)をご覧ください。

子供と関わるエネルギーがないとき

ストレスを受けた時に、背側迷走神経系という自律神経が活性化する場合もあります。
背側迷走神経系は、ハイトーンとロウトーンがあり、ロウトーンはリラックスしてストレスから回復させてくれます。
しかし、背側迷走神経系がハイトーンに活性化すると凍りつきや温存状態になります。

凍りつきや温存状態は、大きなストレスにより動けなくなる(不動)状態です。
元気が出ない、疲れが取れない、子供と関わるエネルギーがない、寝ていたい、体が重くて動けない時には、凍りつき・温存状態になっています。
この状態では、自己表現することもできないので、ノン・アサーティブな自己表現になってしまいます。
相手の言うことに同意するだけで、自分の意見を言うことができません。

子育てをしていると疲れ果ててしまうことがあります。
何度言っても子供が同じことを繰り返し、疲れてしまってもはや怒れないことがあります。
子育て以外のストレスにより疲れ果てている場合もあります。
本当は子供にちゃんと向き合いたいけれど、とてもそんな余裕がない状態です。

勉強を見てあげなくちゃならないけれどできない。
明日の学校の準備をしなければならないけれどできない。
ゲームやテレビの時間を約束しなくちゃいけないけれどできない。
寝ていたい。横になっていたい。スマホを見ていたい。
動けないし、エネルギーも湧いてこない、とても辛い状態です。

元気を取り戻す方法

まず一番大切なのが周囲の理解です。家族やパートナーの理解が何よりも大切です。
動けなく横になっていることが多いと、周囲からは「サボっている」と見られることが多くあります。
そうではなく、本当に動けず、話をするエネルギーがありません。
周囲の人は責めたりせずに「つらいんだね。休んでいていいよ」と言ってあげることが大切です。

そして、一人でリラックスする時間を自分に与えます。
ぼーっとしていてもいいし、ハーブティーなどノン・カフェインの飲料を飲むのもいいでしょう。
散歩したくなったらしてもいいし、カフェに行きたくなったら行ってもいいでしょう。
無理せず、ゆったりできることをします。

自分に優しくするエクササイズもあります。
例えば、腎臓に優しくタッチします。
ストレスがかかっているとHPA軸が活性化してストレスホルモンが生成されています。
副腎からはコルチゾールなどのストレスホルモンが出てます。
副腎は腎臓の上にあるので腎臓に両手で触れます。
背中に両手を回して腰の上あたりを温めます。

また、ブーサウンドと言う方法もあります。
この方法はおへそあたりにブーと言う音を響かせる方法です。
ブーサウンドについては動画の(15分15秒から)をご覧ください。

このような方法をとることで、凍りつき、温存状態から回復することができます。

良い親子関係を築くには

子供と関わる時には、自分自身の自律神経系を整える必要があります。
自分の自律神経系が整うと子供と良い関係を築くことができます。
今の自分の自律神経系は「どんな状態なのか」を自覚することはとても大切です。

自律神経系が整っている状態とは、気持ちに余裕がある状態です。
心には許容範囲(キャパシティ)があります。
心の許容範囲内にいることができると、ストレスを受けても過度に活性化せずに、再び落ち着くことができます。
腹側迷走神経系が優位な状態で、人と一緒にいても気楽に過ごせる状態です。

イライラしてもそのうち落ち着く、落ち込んでもそのうち回復するという自己調整ができています。
安全な環境にいて安心しています。
戦うか逃げるか、あるいは凍りつきになっておらず、遊び心や好奇心があります。
このような自律神経の状態は、周囲にも伝わっていきます。

子供に対しても、心穏やかに接することができます。
子供に言わなければならないことも、子供の気持ちや状態を尊重しながら伝えることができます。
アサーティブな自己表現が自然にできる状態です。
交感神経系優位になって叱りつける必要はありません。
私たちが心を開いて真っ直ぐに伝えると子供も心を開いてくれます。

まずは自分の自律神経系がどうなっているかに気づくことが大切です。

交感神経系が優位になっていたら、気持ちを落ち着けます。
背側迷走神経系が優位になっていたら、気持ちを回復させます。
自分自身を腹側迷走神経系が優位な状態にしてアサーティブに伝えてみます。

自分に優しくすることから始めてみましょう。

まとめ

○ 子供に怒りをぶつけてしまうときは、交感神経系が活性化しています。
○ 気持ちを落ち着ける方法は、話を聞いてもらったり、ひとりでできるエクササイズを行います。
○ 子供と関わるエネルギーがないときは、背側迷走神経系が活性化しています。
○ 元気を取り戻す方法は、周囲の理解、自分をケアする方法があります。
○ 良い親子関係を築くには、まずは自分の自律神経系を整えておく必要があります。

自律神経を整えるためのコーチングを行っています。詳しくはリンク先をご覧ください。

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