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愛着障害とは?不安定型愛着は治療できる!

目次

愛着の修正体験を行う

ソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)は、トラウマ解放を行う心理セッションです。

トラウマは大きく分けると、ショックトラウマとリレーショナルトラウマに分けられますが、心理セッションでは同じように解放していきます。

実際の心理セッションでは、クライエントや状況によって異なりますが、私は次のように進めることが多いです。

①カウンセリングルームで落ち着く
②リソースを探す
③扱いたいトラウマを一つ選ぶ
④トラウマを話す前に思い出す
⑤トラウマについて新聞記事の見出し程度に話す
⑥その時の自律神経の様子を見る
⑦未完了の防衛反応を完了させる
⑧修正体験を行う
⑨統合

今回は「⑧修正体験を行う」を具体的に説明してみましょう。

愛着障害とは

愛着障害は、幼少期の愛着関係の形成において問題が生じ、それが後の人間関係や心理的健康に影響を与える状態です。主に乳幼児期から幼少期にかけての親子関係における不安定さや不適切な対応が原因とされます。例えば、親からの適切な愛情や安定したケアが不足していたり、虐待や放置などがあった場合に発症することがあります。

愛着には、安定型愛着と不安定型愛着があります。安定型愛着を持つ子どもは、親が安定していて愛情的な関わりを提供することで、他者への信頼や安全な人間関係を築くことができます。安定型愛着が愛着のベースです。

不安定型愛着は、親が安定的な愛着を子どもに提供しなかったことに対する子どもの適応です。回避型愛着、アンビバレント型愛着、無秩序型愛着があります。回避型愛着を形成した子どもは、親からの愛情的な関わりが極端に不足していたり、放置されたりしたことで、他者とのつながりを築くことが難しくなります。一方、アンビバレント型愛着や無秩序型愛着を形成した子どもは、親の関与が不安定であったり、虐待や無視を受けたりしたことで、他者への信頼や安全性を十分に感じられず、不安や不安定な人間関係を築きがちです。

愛着障害は、成人期においても人間関係や心理的健康に影響を及ぼします。たとえば、親密さや信頼を築くことが難しくなったり、自己評価が低下したりすることがあります。

トラウマと愛着障害

愛着障害とトラウマは密接に関連しており、しばしば相互に影響を及ぼします。愛着障害は、幼少期の愛着関係の不安定さや不適切な対応から生じる心理的状態であり、これによって子どもの安全性や信頼感が脅かされます。一方、トラウマは、暴力、虐待、事故、自然災害などの過剰なストレスや恐怖体験によって引き起こされる心的外傷です。

愛着障害とトラウマの関係は、次のような形で現れることがあります:

1. 愛着関係の不安定さとトラウマの経験:愛着が不安定な状況に置かれた子どもは、虐待や放置などのトラウマ体験をより経験しやすくなります。そのため、愛着障害とトラウマは相互に促進し合う可能性があります。

2. トラウマが愛着形成に影響を与える:トラウマは、子どもの安全性や信頼感を脅かし、健全な愛着関係の形成を妨げることがあります。例えば、虐待や放置を経験した子どもは、他者に対する不信感や関係の避け方などの問題を抱える可能性が高まります。

3. 治療とサポートの必要性:愛着障害やトラウマを抱える子どもや成人は、安定した関係や適切な治療を通じて回復を促す必要があります。トラウマ治療は、安全な愛着関係を再構築し、回復の基盤を築くために重要です。同時に、愛着関係の修復もトラウマの治療において不可欠です。

4. 予防的アプローチの重要性:愛着障害やトラウマのリスクを減らすためには、早期介入や予防的なアプローチが重要です。家族やコミュニティの支援を通じて、健全な愛着関係の形成やストレス管理のスキルを促進することが役立ちます。

総じて、愛着障害とトラウマは深く絡み合い、その影響は個人や社会全体に大きな影響を与える可能性があります。そのため、適切な治療や支援の提供、そして予防的なアプローチの強化が必要です。

愛着障害は治りますか

不安定型愛着は、幼少期に安定した愛着関係が不足していたり、不安定であったりすることで発生する心理的状態です。このタイプの愛着障害を修復するためには、安全で信頼できる関係を通じた体験が重要です。

修復体験は、安定した愛着関係を模倣し、適切な支持や理解を提供することで、不安定型愛着を修復するのに役立ちます。例えば、心理療法において、クライアントとセラピストの関係は修復体験の場となります。セラピストはクライアントの感情やニーズに敏感に対応し、安定性と安全性を提供することで、クライアントが新たな愛着的な経験を得ることができます。

また、修復体験は日常生活でも見出すことができます。友人やパートナー、支援的な家族など、安定した愛着関係を築くことができる人々との関係は、不安定型愛着の修復に役立ちます。これらの関係において、相手の支持や理解を受けることで、クライアントは自己価値感を高め、安心感や信頼感を培うことができます。

さらに、自己認識や自己理解を促進する活動も修復体験の一環として重要です。心理教育やマインドフルネスなどの技法を通じて、クライアントは自己を客観的に見つめ直し、過去の経験や感情に対処する方法を学ぶことができます。これによって、自己受容や自己愛情を高め、不安定型愛着を修復する土台が築かれます。

修復体験は継続的なプロセスであり、一度の体験だけで完全に修復されるものではありません。しかし、安定した愛着関係を通じて得られる経験は、不安定型愛着のパターンを変え、心理的な健康と安定を取り戻す上で重要な役割を果たします。

愛着障害の治療法

不安定型愛着の修復に特化した心理療法に、ダイアン・プール・ヘラー博士 Diane Poole Hellerが開発したDARe(Dynamic Attachment Re-patterning Experience)療法があります。

DARe療法は、SE療法を発達性トラウマに応用できるように発展させた心理療法です。DARe療法は、愛着理論に基づいた独自の治療アプローチであり、愛着パターンの理解と修復に焦点を当てています。このアプローチは、クライアントが回避型愛着、アンビバレント型愛着、回避型愛着などの愛着パターンが自己や他者との関係、および心理的健康に与える影響を自己認識し、癒し、再構築するプロセスを支援します。

DARe療法のアプローチは、愛着理論を土台にしています。愛着理論は、幼少期の親子関係が個人の感情的発達と関係形成に与える影響を研究したもので、安全な愛着が個人の健康な発達に重要であるという理論です。不安定型愛着の問題が発生すると、個人の関係や心理的健康に様々な影響を及ぼすことがあります。

DARe療法のセッションでは、クライアントが自分自身の愛着パターンを認識し、それらが自己や他者との関係、および日常生活にどのように影響を与えているかを理解するための場が提供されます。セラピストは、クライアントが安心して感情や体験を共有できるような安全な環境を提供し、クライアントの癒しと成長を支援します。

DARe療法のセッションは、様々な方法を用いて行われます。セッションでは、クライアントが自分自身や他者との関係におけるパターンを探求し、新しい視点やスキルを身につけることができます。エクササイズやマインドフルネスなどの技法も使用され、クライアントが自己理解を深め、感情的な癒しを促進します。

さらに、DARe療法のアプローチは、関係の修復に焦点を当てています。安全な愛着関係を提供し、クライアントが新たな関係を築くためのスキルを学ぶことが重要です。関係の修復は、クライアントが過去のトラウマや愛着の傷を癒し、自己と他者とのつながりを改善するのに役立ちます。

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茨城県の筑西市にあるカウンセリングルームを中心に、つくばルーム、水戸ルームに月1回出張しています。

また、SE療法、DARe療法はオンラインでも対面と同じように受けることができます。

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