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カウンセリングで絵を描く〜マンダラ塗り絵とマンダラ描画〜

目次

ユングとマンダラ

深層心理学者のC.G.ユングは次のように述べています。

「その頃(第一次世界大戦の最中)私は収容所の指導者をしていた。そこにいる間、私は毎朝ノートに小さい円形の絵、マンダラを描いた。これらの絵を助けとして、私は毎日毎日の自分の心の変容を観察することができた。私の中の苛立ちや不調和から、次の日にはマンダラが変化した。・・・描いたマンダラは、日毎に新しく私に示された自己の状態についての暗号だった。私の自己(私の全存在)が実際に働いているのを見た。・・・時と共に、それらを通じて、自己の生きた概念を獲得した。」

ユングは、マンダラを描いていく中で「自己」について理解を深めていきました。

自己とは

自我が意識の中心であるのに対して、自己は意識と無意識とを含んだ心の中心です。
人間の心に存在する対立的な要素、男性性と女性性、思考と感情などを統合する中心とも言われます。

ヌミノーズム

ヌミノーズムとは、自我が自己に触れるときの体験です。ユングは「生きた神の体験」と言っています。
自己のシンボルの現れは深い感動を与えます。
例えば、キリストや仏陀は自己のシンボルとして理解できます。しかし、自己のシンボルとの触れ合いは日常生活の中でもあります。初日の出を拝んで清々しい気持ちになる体験や大きな満月に深淵な気持ちになることも自己のシンボルとの触れ合いです。

自己とマンダラ

マンダラを描く中でユングは気づきました。
自己=全体性の象徴が、幾何学的な図形として生じてくるのがマンダラであると。

そして、ユングはこう自問しています。
「どうしてこれはこうまで中国風なのだろう?」

ユングは自発的にマンダラを描くことで自己へと到達しましたが、仏教にもマンダラが存在しています。
チベット、ブータン、ネパールなどの国々では古くからマンダラが製作されてきました。
そして、マンダラを密教と共に日本へもたらしたのが空海です。

砂絵マンダラ

チベット仏教では、マンダラを大理石を砕いた砂で製作します。
何人もの僧侶が集まり、数日間かけて、祈りを込めて、少しずつ作っていきます。
地球と生きとし生けるものが幸せになるようにと祈りが込められています。
数日間をかけて完成したマンダラはその日のうちに壊されます。
そして、近くの川に流されます。
マンダラに込められた祈りのエネルギーが、川から海へとたどり世界中に広まります。
このように、マンダラとは生きとし生けるものへの慈愛の象徴です。

瞑想とマンダラ塗り絵

砂絵マンダラを作ることは瞑想です。集中して祈りを込めながらマンダラを作っていきます。
マンダラを作りながら無心となり、マンダラと一つになります。
マンダラを作り、壊し、川へと流すことが諸行無常を表しています。

カウンセリングにはマンダラ塗り絵という方法があります。
マンダラ模様が描かれた用紙をクライエントに渡し、時間をかけて塗り絵をしてもらいます。
無心になって色を塗ることで瞑想状態になり心が軽くなります。

心理療法としてのマンダラ描画

ユングはクライエントがマンダラを描くことが治療の起点になることを発見しています。
そして、クライエントがマンダラを描くと平安や安心を感じることも述べています。
マンダラは自己のシンボルであり、マンダラを描くことで自分自身の自己とのつながりを確認することができます。また、描くことで無心になり、心を軽くすることもできます。

カウンセリングでは、クライエントにマンダラを描いてもらうことがあります。
丸い円を描いた用紙をクライエントに渡して、自由に心の赴くままに描いてもらいます。

マンダラを描いてみたい時は

カウンセリングの中でマンダラ塗り絵やマンダラ描画を行うことができます。
興味のある方はお問い合わせください。

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