相談されて「アドバイス」は逆効果? まずは自律神経を整える

目次
1. 悩みは「氷山の一角」にすぎない
人が悩んでいる状態は、「心の泥沼」でもがいているようなものです。
私たちが普段「悩み」として聞いているものは、泥沼の表層、つまり氷山の一角(顕在意識)にすぎません。
その奥深く(潜在意識)には、悩みの背景が隠れています。
2. ついやってしまう「4つの反応」
大切な人が泥沼でもがいているのを見ると、私たちは「何とかしなくちゃ!」と焦り、次のような4つの反応をしがちです。
アドバイス: 「彼とちゃんと話し合った方がいいよ」など。優しい押し付けになり、相手は「そんなこと分かっている」と思います。
批判: 「死にたいなんて簡単に言うな」など。強い押し付けになり、相手は「もう相談しない」と黙り込みます。
原因探し: 「なんでそう思ったの?」などと根掘り葉掘り聞くことで、かえって相手を追い詰めて言いにくくさせます。
解決法探し: 「とりあえずバイト探せば?」など、手っ取り早い解決策を提示しても、根本的な解決にはなりません。
これらはすべて、相手を泥沼から「引っ張り上げようとする」行為です。私たちがこのような反応をするには理由があります。
大切な人から相談されると私たちの自律神経が、赤さん(交感神経)になってしまうからです。
3. カウンセリングの極意は「一緒に潜る」こと
一方、カウンセリングのアプローチは逆です。相手を引っ張り上げるのではなく、「相手の泥沼に一緒に潜っていく」のです。
心の奥深くにある「悩みの背景」を理解するためには、以下の4つのステップで潜っていきます。
ステップ1:自律神経を落ち着かせる
相手の焦り(赤さん・交感神経)や無気力(青さん・背側迷走神経)に巻き込まれず、まずは自分自身がグラウンディングや深呼吸をして緑さん(腹側迷走神経)の状態になります。
ステップ2:話を聴く(リスニング)
「だからダメなんだよ」「こうした方がいいよ」などと言わず、ただ耳を傾けてよく話を聴きます。
ステップ3:共感・受容する
「自分が同じ境遇だったらどう感じるか」と想像し、相手のつらさを自分の事のように受け止めます。
ステップ4:応答する
「死にたいくらいつらかったんだね」と気持ちをそのまま受け止めて反応します。
※赤さん・青さん・緑さんという言葉はポリ語と言います。詳しくは、はじめての「最新メンタルヘルス」入門をご覧ください。
4. 「安全」が心のふたを開く
相手の気持ちに寄り添うと、相手の体は「この人は安全だ」と察知します。
すると、これまで固く閉ざされていた「潜在意識のふた」が少しずつ開き、悩みの背景(過去のトラウマや幼少時の愛着体験など)が話されてきます。
悩みの背景に焦点が当たり、そこにある思いを意識化し、言葉にしたり、表現することが癒しにつながります。
カウンセリングは「問題を解決する場所」ではありません。
安全な関係の中で、泥沼に潜んでいる自分を取り戻していく場所です。
身近な人が悩んでいる時、一旦、解決策を探すのをやめて、相手の泥沼に潜ってみませんか?
相手の自律神経に「安心」を提供し、共に少しずつ探索すること。それこそが、相手にとって一番の「癒し」になるはずです。
