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カウンセリングの料金

心理カウンセリングを受けるときに気になるのは料金です。カウンセリングにかかる料金について調べてみました。

カウンセリング料金は「高いのか安いのか」についても考察してみました。

目次

カウンセリングの無料提供

自分が所属する場所でカウンセリングを無料で受けられることがあります。

学校

スクールカウンセラー、心の相談員、学生相談員など学校にカウンセラーがいる場合があります。
国や自治体は学校にスクールカウンセラーを派遣しています。子供が相談できるだけでなく保護者も相談できます。小学校・中学校を中心に、高等学校や一部の専門学校や幼稚園にもスクールカウンセラーや心の相談員などが訪問しています。私立学校でも独自にスクールカウンセラーを置いているところもあります。大学では私立公立に関わらず学生の悩みを聞く専門の学生相談員が常駐しているところが多いです。

職場

働く人のメンタルヘルスケアのために会社や職場にカウンセラーがいるところもあります。
本人の家族も相談できる場合もあります。職場内の人間関係、ハラスメントやメンタルヘルスの症状や問題などについても相談できます。また、職場によっては外部のカウンセリング機関と契約している場合もあります。職場がカウンセリング料金を負担することで所属者が安心してカウンセリングを受けることができます。

公共サービス

生活の中での心の悩みに対応したさまざまなカウンセリングサービスがあります。
ドメスティック・バイオレンス(DV)の相談は、配偶者暴力相談支援センターや警察に相談してください。子育てについての相談は、市町村の子育て相談窓口や児童相談所に相談できます。子供の発達についての相談は市町村保健センター、児童相談所、自治体の子育て支援センター、発達障害者支援センターがあります。引きこもりについては、引きこもり地域支援センターが各都道府県に設置されています。心の健康についての相談は、都道府県や精神保健福祉センター

初回無料カウンセリング

日本産業カウンセラー協会や民間カウンセリング機関などが初回無料でカウンセリングサービスを提供しています。

電話相談

死にたい、消えたい、生きることに疲れた時には無料の電話相談に電話してください。
#いのちSOS、よりそいホットライン、いのちの電話などがあります。子供の場合は、チャイルドライン、子供(こども)のSOSの相談窓口(そうだんまどぐち)、子どもの人権110番などがあります。1回電話をかけてつながらなくても何度もかけているとつながります。

SNS相談

チャットやLINE、twitter、Facebookなどで相談できます。
自殺対策支援センターライフリンク、東京メンタルヘルス・スクエア、あなたのいばしょなどがあります。BONDプロジェクトは、10代20代の女性のためのLINE相談を行なっています。また、チャイルドラインは、18歳までの子ども専用のチャット相談を行なっています。

犯罪被害者等のカウンセリング費用公費負担

警察には犯罪被害者等の負担を軽減するための各種公費負担制度があります。その中でも注目すべきものはカウンセリング費用を負担してもらえる制度です。

警察庁のホームページには次のように説明されています。
「犯罪により大きな精神的被害を受けた犯罪被害者等に対しては、心理学的立場からの専門的なカウンセリングが必要となることがあります。このため、犯罪被害者等が自ら選んだ精神科医、臨床心理士等を受診した際の診察料及びカウンセリング料を公費により負担する制度を運用しています。」
この制度は各都道府県警察が具体的に定めているので、お住まいの都道府県警察に問い合わせてみてください。

医療機関での保険診療

医療機関では一部のカウンセリングが保険適用されます。

通院・在宅精神療法

心療内科や精神科を受診すると、通院在宅精神療法が行われることが多いです。
ここに含まれるのは、医師が患者に対して行う問診、身体診察(視診、聴診、打診及び触診)と通院・在宅精神療法です。医師との診察時間が30分以上の場合が通院・在宅精神療法となるので、時間は短いですが医師とのカウンセリングも含まれます。

認知療法・認知行動療法

医師、看護師による認知療法、および認知行動療法は保険適用になります。
認知療法・認知行動療法とは、うつ病などの気分障害、強迫性障害、社交不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害又は神経性過食症の患者に対して、 認知の偏りを修正し、問題解決を手助けすることによって治療することを目的とした精神療法です。
臨床心理士や公認心理師が行う場合には保険適用とはなりません。1回30分以上の面接で合計回数が16回までと決まっています。

標準型精神分析療法

標準型精神分析療法とは、医師と患者が自由連想という方法を用いて、抵抗、転移、幼児体験等の分析を行い解釈を与えることによって洞察へと導く治療法です。
精神科や心身医学を専門とする医師が行った場合、保険診療となります。1回45分以上です。

子供へのカウンセリング

小児科若しくは心療内科を担当する医師、医師の指示を受けた公認心理師がカウンセリングを行う場合は保険適用になります。
対象となる患者は、うつ病などの気分障害、神経症性障害、ストレス関連障害、身体表現性障害(心身症を含む)、生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群(摂食障害を含む)、心理的発達の障害(自閉症を含む)、小児期や青年期に発症する行動・情緒の障害(多動性障害を含む)
また、不登校の児童生徒、家族または同居者から虐待を受けている、その疑いがある者も含まれます。

自立支援医療で負担軽減

自立支援医療(精神通院医療)とは、精神疾患の治療にかかる自己負担額を、軽減できる制度です。
うつ病、双極性障害、統合失調症、不安障害、てんかんなどの精神疾患の治療のために、医療機関に通院されている方が対象です。
医療機関での保険診療の自己負担額は通常3割ですが、自立支援医療が適用されると自己負担額は1割まで軽減されます。
また、世帯所得などに応じて1ヵ月あたりの自己負担額に上限があります。
さらに、重度かつ継続的な治療が必要な方は、1ヵ月当たりの負担限度額が低くなります。統合失調症などの疾患に適用されます。
自立支援医療は、都道府県が定めた指定医療機関に通院している場合に適用されます。市区町村の自立支援医療申請窓口に問い合わせることで確認できます。

医療機関での自由診療

医療機関では上記以外のカウンセリングは全て自由診療となります。自由診療は保険が使えません。料金や時間は各医療機関によって異なります。30分3,000円〜11,000円、50分5,000円〜20,000円など料金に幅があります。

民間カウンセリングルーム

民間のカウンセリングルームは医療機関ではないため保険が適用されません。
よって各カウンセリングルームが定める料金がカウンセリング料金となります。
カウンセリング料金は都市部が高くなる傾向があります。また、同じカウンセリングルームでもカウンセラーの資格や技術によって料金が異なる場合もあります。
都市部での相場は50分で10,000円から15,000円くらいです。地方では50分5,000円くらいに設定されているところもあります。

カウンセリング料金は高いのか安いのか?

医療機関で自由診療の場合や民間カウンセリングルームでは、カウンセリング料金は50分10,000円を超える場合が多いです。この料金が高いのか安いのかを判断するために、一般的に医師が保険診療で行う通院・在宅精神療法と比較してみます。

通院・在宅精神療法は1回30分です。保険点数は400点です。20歳未満の場合は、思春期加算350点が算定されます。また、処方があった場合は、処方せん料70点が加算されます。初診の場合は初診料288点が算定されます。
これをもとに計算します。1点10円です。

例)初診料+通院・在宅精神療法(20歳以上)+処方あり
(288+400+70)×10 = 7,580円です。
これに薬剤料を含むと1回30分の診察と薬で10,000円を超えます。
保険診療なので3割負担で診察と薬で3,000円くらいになります。

一般的なカウンセリングの時間は1回50分です。
すると、1回50分のカウンセリング料金が10,000円というのは保険適用がされない場合の医療機関での支払額と同等かそれ以下ということになります。

まとめ

・無料でカウンセリングを受けられるところがあります。学校や職場で受けられる場合や公共サービスも充実しています。初回のみ無料で受けられるところもあります。電話相談やSNS相談も無料で受けることができます。

・犯罪被害者等のカウンセリング費用公費負担があります。無料でカウンセリングを受けることができます。

・医療機関では一部のカウンセリングが保険適用されます。自己負担額を3割から1割に減らすことができる自立支援医療もあります。

・医療機関では自由診療でカウンセリングを行っているところもあります。30分3,000円〜11,000円、50分5,000円〜20,000円など料金に幅があります。

・民間のカウンセリングルームでのカウンセリングの相場は都市部では10,000円から15,000円です。地方では5,000円くらいで受けられるところもあります。

・1回50分10,000円というカウンセリング料金は、保険が効かない医療機関でのカウンセリングと比較すると同等かそれ以下となります。

カウンセリングを受けてみたい場合は

この記事を書いているのは臨床心理士と公認心理師の資格を持つカウンセラーです。カウンセリング歴は25年以上あり精神科や心療内科にも勤務してきました。また、大学で心理学の講義もしています。

専門はトラウマ解消です。身体指向カウンセリングのソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)を実施する資格を持っています。トラウマが根っこにあると悩みや症状がなかなか解消されません。しかし、多くの人は自分にトラウマがあると気づいていません。トラウマから解放されて人生100年時代を健やかに生きましょう。

カウンセリングルームは、茨城県の筑西市にあります。法人が運営しているカウンセリングルームです。ZOOMを利用したオンラインでのカウンセリングも行なっています。

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