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ソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)の心理セッションの進め方⑥

目次

トラウマを解放する

ソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)は、トラウマ解放を行う心理セッションです。

トラウマは大きく分けると、ショックトラウマとリレーショナルトラウマに分けられますが、心理セッションでは同じように解放していきます。

実際の心理セッションでは、クライエントや状況によって異なりますが、私は次のように進めることが多いです。

①カウンセリングルームで落ち着く
②リソースを探す
③扱いたいトラウマを一つ選ぶ
④トラウマを話す前に思い出す
⑤トラウマについて新聞記事の見出し程度に話す
⑥その時の自律神経の様子を見る
⑦未完了の防衛反応を完了させる
⑧修正体験を行う
⑨統合

今回は「⑥その時の自律神経の様子を見る」を具体的に説明してみましょう。

⑥その時の自律神経の様子を見る

私が現在行なっているSE™️心理セッションのやり方なので、他のセラピストとは異なるかもしれません。

リソースを思い出したり、イメージしたりして、十分に味わったら、トラウマ解放に向けての準備が整ったことになります。
準備を整えてから、トラウマの再体験にならないように、トラウマと再交渉をしていきます。
そして、扱いたいトラウマを一つ選びます。
そして、「今、そのことを思い出すと、体はどんな感じがしますか?」と尋ね、クライエントが耐性の窓の中にいられることが確認できたら、
トラウマについて新聞記事の見出し程度に話してもらいます。

そして、その時の自律神経の様子を見ます。

自律神経は大きく分けると交感神経系と副交感神経系があります。
日常生活の中では交感神経系が活性化したり、副交感神経系が活性化したりを繰り返しています。
交感神経系は、覚醒や興奮を担っており、副交感神経系は、沈静や休息を担っています。

許容範囲の中での自律神経の波は私たちの生命のリズムです。
上がったり、下がったり、拡張したり、収縮したりを繰り返しています。
呼吸や脈拍、血圧、体温の変化も自律神経の働きです。

このような自律神経のリズムは私たちの健康に寄与します。
ストレスがあっても、美味しいものを食べたり睡眠をとることで回復します。
仲良い人と一緒に過ごしたり、話を聞いてもらったりすることで回復します。

しかし、トラウマがあると自律神経のリズムが乱れます。
私たちの許容範囲を超えて、交感神経系が活性化したり、副交感神経系が活性化します。

交感神経系が活性化して許容範囲を超えると、スイッチがオンの状態に固着します。
いつも警戒していたり、不安だったり、ドキドキしたり、怒りが爆発したり、興奮状態になります。
頭痛がしたり、眠れなかったり、筋肉が固まったりします。
フラッシュバックが生じたり、悪夢を見たりします。

副交感神経系が活性化して許容範囲を超えると、スイッチがオフの状態に固着します。
うつ状態になったり、体に力が入らなくなったり、朝起きられなくなったりします。
外出できなくなり、人にも会えなくなり、解離することもあります。

トラウマについて新聞の見出し程度に話してもらい、体の感覚を聞きます。

「今、そのことについて話すと、体はどのような感じがしますか?」

「今、あなたの中では何が起こっていますか?」

このように尋ねることで、トラウマにアクセスします。

トラウマは自律神経がスイッチオンやスイッチオフに固着していると書きました。
その状態に留まっていると言うことは、凍りついている不動の状態です。
過去に大変なことが起きた時に、恐怖のあまり凍りつき、不動化しました。
その時は、凍りつき、不動化することは生き残るために必要なことでした。

しかし、今は安全なのに、依然として恐怖を感じ、凍りついています。
そのため、上に述べたようなトラウマの症状が現れます。

体の感覚に意識を向けることで、凍りつきが溶け始めます。
凍りつきが溶けると、自律神経のリズムが戻ってきます。
それはトラウマから抜け出す第一歩です。

次は、「⑦未完了の防衛反応を完了させる」を説明します。

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