ソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)の心理セッションの進め方②
目次
トラウマを解放する
ソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)は、トラウマ解放を行う心理セッションです。
トラウマは大きく分けると、ショックトラウマとリレーショナルトラウマに分けられますが、心理セッションでは同じように解放していきます。
実際の心理セッションでは、クライエントや状況によって異なりますが、私は次のように進めることが多いです。
①カウンセリングルームで落ち着く
②リソースを探す
③扱いたいトラウマを一つ選ぶ
④トラウマを話す前に思い出す
⑤トラウマについて新聞記事の見出し程度に話す
⑥その時の自律神経の様子を見る
⑦未完了の防衛反応を完了させる
⑧修正体験を行う
⑨統合
次に②「リソースを探す」を具体的に説明してみましょう。
②リソースを探す
私が現在行なっているSE™️心理セッションのやり方なので、他のセラピストとは異なるかもしれません。
カウンセリングルームで落ち着いたら、リソースを探します。
リソースとは、心の資源であり、心のエネルギー源です。
例えば、ホッとするもの、良い感じがするもの、元気をもらえるものなど。
また、よかったことや、ホッとしたこと、心が晴れたことなど。
人間関係でも、安心する人、話をしたいなと思う人、支えてもらえている人など。
動物やペット、ぬいぐるみ、好きな俳優、漫画・アニメ、映画の中の憧れの登場人物など。
これまでの人生で助けてくれた人、先生、コーチなど。
もちろんカウンセラーやセラピストもそうです。
どのようなことや物や存在でも良いので、リソースを探してもらいます。
リソースが見つかったら、リソースを思い出したり想像して、よく感じてもらいます。
五感を使って、リソースを時間をかけて体感します。
例えば、海がリソースだとしたら、海に行っていることを想像し、目に見える風景を思い描きます。
波の音を思い出し、砂浜に足が触れる感じ、優しい風が頬に当たる感触、潮の香りなどを思い出します。
十分にリソースを味わうと体はどんな感じになっているのかを確かめます。
ふーっと呼吸が深くなる感じ、肩の力が抜ける感じ、頬が柔らかくなる感じ、お腹が温かくなる感じに気づくかもしれません。
このような体の感じをよーく感じます。体の良い感じに浸ります。
このように、リソースを探して体で十分に感じる時間を大切にしています。
なぜならば、リソースがたくさんあるとトラウマの解放が楽にできるからです。
実はトラウマとは、大変な体験をした時にリソースがなかったことから生じます。
そのため、トラウマに再交渉するためにはリソースフルになることが重要です。
私の先生が教えてくれました。
「クジラがプールにいたら狭くて大変だけど、大海原にいればどんなに暴れても大丈夫」
クジラはトラウマの比喩です。
たくさんリソースがあればどんな大きなトラウマでも大丈夫です。
もちろん、リソースが見つからないというクライエントもたくさんいます。
そのような時は、少しでもよかったこと、少しでも苦しくなかったこと、少しでもよかったと思えたことを探していきます。
焦らず、少しずつ、クライエントのペースでリソースを見つけていきます。