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カウンセリングの資格にはどんなものがあるの?カウンセラーになるには?

目次

カウンセラーの資格

カウンセリングを行う資格について検索すると、カウンセラーを養成したり資格を取得できる広告が数多く表示されます。現代社会には悩みを持つ人が多く、そのためカウンセラーになりたい人が多いのでしょう。たくさんの資格が並んでいるので、どの資格を取ったら良いのか迷う人も多いかと思います。

しかし、役に立つ資格は限られてします。役に立つ資格は公に認められる必要があります。カウンセラーとして就職する時に有利になる資格以外は、公に認められるという条件を満たしていないので役に立つ資格ではありません。もちろん、取得した資格を研修歴やアピールポイントとすることはできます。また、公には認められてはいないけれど素晴らしい技術や知識を習得したことを示す資格もあります。

例えていうと、公に認められる役に立つ資格は自動車の運転免許です。公に認められない資格はレーサーの資格の国内Aライセンスです。自動車を運転するには運転免許証が必須ですが、国内Aライセンスは必要ありません。レースが好きだったり得意だったりすることをアピールすることはできます。同様にカウンセラーの資格もカウンセラーに必須の資格とそうではないものに分かれます。

臨床心理士

臨床心理士は、日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し、認定を受けると取得できる資格です。認定協会のホームページには、「臨床心理士」とは、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、人間のこころの問題にアプローチする心の専門家と書かれています。

公認心理師という国家資格ができるまでは、日本で一番公に認められる役に立つ資格でした。公認心理師ができてからも臨床心理学の専門的知識と技術を学ぶことができる資格として非常に人気があります。また、遵守すべき「臨床心理士倫理綱領」があり、5年ごとの資格更新制度などが定められています。

臨床心理士になるには、臨床心理士養成の指定大学院を修了しなければなりません。その後認定協会による認定試験があります。そのため臨床心理士の資格を持つカウンセラーは、最低限大学院で臨床心理学の勉強やカウンセリングの訓練を二年間は受けたことになります。大学院での訓練は実際のクライエントとのカウンセリングを指導してもらえるのでカウンセリングを深く学ぶことができます。そのため臨床心理士の資格を持つカウンセラーは、カウンセリングをする運転免許を持っていると思って良いと思います。

公認心理師

公認心理師とは心理職として国内唯一の国家資格です。公認心理師の資格を持つカウンセラーは公認心理師法という法律に基づきカウンセリングを行なっています。公認心理師には公認心理師に課された義務があります。

①信用失墜行為の禁止
②秘密保持義務(違反者には罰則)
③公認心理師は、業務を行うに当たっては、医師、教員その他の関係者との連携を保たねばならず、心理に関する支援を要する者に当該支援に係る主治医があるときは、その指示を受けなければならない。

公認心理師は、クライエントを守り、クライエントに有益となるよう連携することが義務付けされているため信頼できる資格です。

公認心理師になるには、多くの場合大学と大学院で心理学を学ぶ必要があります。大学と大学院で学ぶ必要がある科目もあらかじめ決まっています。そして、公認心理師試験に合格して登録する必要があります。この方法以外にも、大学で心理学を学んだ後に特定の就職先に数年間就くことで受験資格を得ることもできますが、数は多くありません。臨床心理士は、臨床心理学の知識や技術を中心に学びますが、公認心理師は、心理学の知識と技術をより広く学ぶ必要があります。

国家資格であるため、就職にあたり公認心理師の資格を求められる場所が多くあります。特に医療分野でカウンセラーとして働くにはこれから必須資格になると思われます。スクールカウンセラーなどの教育分野では、公認心理師か臨床心理士の資格を条件にしている地域が多いです。

認定心理士

日本心理学会が認定した資格です。日本心理学会のホームページには次のように記載してあります。

「大学における心理学関係の学科名が学際性を帯びてきて,必ずしも「心理学」という,直接的名称が使われていない場合が多いことから,心理学の専門家として仕事をするために必要な,最小限の標準的基礎学力と技能を修得している,と日本心理学会が認定した人」

認定心理士になるためには大学で心理学の科目を履修する必要があります。必要な科目を履修して日本心理学会に申請することで認定心理士になることができます。試験などはありません。カウンセリングをするための運転免許とは認められませんが、大学で心理学を学んだという証明にはなります。

産業カウンセラー

産業カウンセラーは、日本産業カウンセラー協会が認定する資格です。産業カウンセラーは主に職場でのカウンセリングを行います。それ以外にも職場でのメンタルヘルス対策を行なったり、キャリアコンサルティングを行なったり、職場内でのカウンセリングマインドの普及にあたったりと、職場で活躍するカウンセラーです。

産業カウンセラーの受験資格を得るには3つの方法があります。
①産業カウンセラー養成講座を受講する。こちらは20歳以上の人ならば受講できます。
②大学で国家資格の公認心理師の受験資格に必要な単位のうち産業カウンセラー協会が指定する科目を履修して卒業した人。
③大学院で協会が定める心理学関連領域を学んで修了した人。あるいは3年以上の社会人の経験があり、大学院で協会が定める心理学関連領域の科目を学んだ人。

①の産業カウンセラー養成講座では、知識だけではなくリスニングのスキルを学ぶことができます。大学や大学院で心理学を学んでいなくてもカウンセリングの基本を習得できるプログラムとなっています。カウンセリングについてロールプレイなどを通して学ぶことができるので実践に活かしやすい資格です。

まとめ

数多くあるカウンセリングを行うための資格で公に認められているものは、国家資格の公認心理師と民間資格でも文科省のスクールカウンセラー事業や自然災害や事故や事件での派遣で実績のある臨床心理士です。日本心理学会が認定する認定心理士、日本産業カウンセラー協会が認定する産業カウンセラーもある程度は公で認められています。

公認心理師と臨床心理士は医療機関や教育機関で働くには必須の資格となっています。高校生で将来カウンセラーを目指す人は公認心理師、臨床心理士の受験に必要な単位を取れる大学を選択することをお勧めします。

認定心理士は学会が認める資格ですが、大学で心理学を学んだということを示すのみです。産業カウンセラーは、産業領域でカウンセラーをやりたい人向けのものです。社会人が取得することが多いです。

そのほかにもカウンセリングの民間資格はたくさんあります。心理カウンセラー養成講座などカウンセリングの基本を学んだ後に資格を取得するものと、特定の専門技法を学んだ後に資格を取得できるものがあります。さまざまな心理カウンセラー養成講座を学んだ後に取得できる資格は、公に認められるわけではありません。また、特定の専門技法の資格は一般の人は取得できないことがあります。既にカウンセラーとして働いている人がスキルアップに取得する場合が多いです。

サラリーマンをしていてカウンセラーになりたい人、主婦をしていてカウンセラーになりたい人は、大学や大学院で心理学を学んでいない場合が多いので、再び入学して学び直す人もいます。そのような余裕と時間がない人は、何らかのカウンセリング養成講座で学ぶことになると思います。その場合には養成講座で取得した資格は就職には有利にならないと思ってください。しかし、個人でカウンセリングルームを開業する方法があります。カウンセラーは心と心の繋がりが大切なので一人一人のクライエントを大切にすると少しずつクライエントは増えてくると思います。

臨床心理士、公認心理師、認定心理士、産業カウンセラーの資格は、あくまで試験に合格したという資格です。大切なのはその後です。クライエントの助けとなるように絶えず学び続け、また、真摯な気持ちでクライエントに会い続けることが何よりも大切です。これらの資格を持っていなくても素晴らしいカウンセラーは数多くいます。また、カウンセラーではなくても誰かの心に寄り添うことができる人もたくさんいます。

資格は大切ですが、囚われすぎず、心と心でつながることができる人でありたいものですね。

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