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カウンセリングの効果的な受け方

目次

カウンセリングを受ける場所

学校

公立や県立学校にはスクールカウンセラーが配置されています。小学校、中学校、高等学校、義務教育学校には週1回から月1回スクールカウンセラーが訪問します。
スクールカウンセラーはその多くが臨床心理士や公認心理師などの専門資格を持っています。数は少ないですが大学教員や医師もスクールカウンセラーになる場合があります。

専門学校には訪問カウンセラーが出張してくる場合がありますが、数は多くありません。大学には学生相談室があるところが多いです。学生相談室には学生カウンセラーが在中しています。

医療機関

心療内科や精神科の病院やクリニックでもカウンセリングを受けることができます。臨床心理士や公認心理師の資格を持っています。医療機関の場合は心理検査を受けることができます。性格や知能、発達の偏りなどについて検査をすることで自分自身について知ることもできます。

医療機関のうち病院では入院することもできます。自死念慮が強い場合には入院しながらカウンセリングを受けることもできます。また、グループカウンセリングなどを行なっている医療機関もあります。

相談機関

全国に公立の相談機関がたくさんあります。職場でのハラスメントの相談、D Vの相談、子育ての相談、死にたい時の相談など、無料で相談できる場所があります。詳しくは「こころの耳」をご覧ください。

私設のカウンセリングルームも全国にたくさんあります。こちらはカウンセラーが個人経営している場合や法人や医療機関が経営している場合があります。ほとんどが有料での相談になります。

カウンセリングの時間

1回の時間

カウンセリングにおいては枠組みをしっかりすることが大切なので、1回あたりの時間が決まっています。カウンセラーは時間になったらクライエントに終了を伝えて次回の予約の希望を聞きます。誰に対しても同じ時間を設定し、それを守ることでクライエントに一貫性と安全性を伝えることができます。

1回の時間はカウンセリングを提供する場所ごとに異なります。1回50分というところが多いです。医療機関などで50分の時間が確保できない場合には1回30分というところもあります。その他に45分や60分、特殊な技法を用いるカウンセリングでは1回90分のところもあります。

継続するペース

カウンセリングは1回で悩みや問題が解決することは稀です。そのため間隔を開けてカウンセリングを継続します。カウンセリングの予約状況、緊急性、クライエントの事情などを考慮しながら話し合って決めていきます。

週1回から2Wに1回のペースが多いです。状態が落ち着いている場合には3Wに1回から1ヶ月に1回のペースで行なっていきます。緊急な時には週に2、3回行うこともありますが稀です。逆に2、3ヶ月に1回というのも稀です。こちらの場合にはカウンセラーと会って近況報告や経過観察をする場合です。

終了までの期間

医療機関でのカウンセリングの場合は、最初から回数が決まっていることがあります。例えば、1回ごとにやることが決まっていて週に1回15回で終了するというものです。認知行動療法や認知療法などは回数が決まっている場合が多いです。

それ以外のカウンセリングでは回数は決まっていません。クライエントが良くなるとカウンセリングが終了します。その期間もまちまちです。3ヶ月くらいで終了する場合もあれば、半年〜1年かかる場合もあります。数年以上カウンセリングを継続する場合もあります。

終了までの時間がまちまちなのは、クライエントはみんな異なるからです。早いから良いという訳ではありません。早く終わろうと焦ることで余計にこじらせてしまうこともあります。急な変化よりも少しずつ変化していく方が着実です。

カウンセリングの方法

受容的カウンセリング

カウンセラーはクライエントが話すことに耳を傾けます。じっくりとよく聴いてもらうとそれだけでも心が楽になります。クライエントの話すことを否定せず、価値判断せず、そのまま受け止めます。カウンセラーはクライエントと同じ目線に立ちます。自分がクライエントと同じ立場だったらどうだろうと想像しながら話を聴くことで、クライエントに深く共感することができます。傾聴・共感・受容によりクライエントは安心します。自分を信じる力が蘇り、自分を肯定でき、これまで気づかなかったことに気づけます。カウンセラーが共にいることが大きな支えになります。

認知行動療法

認知に働きかけていくカウンセリングです。認知とは物事のとらえ方です。誰でも「自動思考」という認知の癖があります。自動思考とは、知らず知らずのうちに考えてしまうことです。自動思考がマイナスになると気持ちもマイナスになるので、自動思考に気づき、働きかけていく方法です。

例えば、つらい気持ちになっている時に少し立ち止まります。そのときにどんなことが頭に浮かんでいるかをメモします。その自動思考を客観的に検討していきます。そうすることで現実的な新しい考えに変えることができます。そうすることで悩みやストレスを和らげることができます。

精神分析的心理療法

精神分析的心理療法は、症状や問題がクライエントの今までの生き方と密接に結びついているという視点でカウンセリングを行なっていきます。例えば、症状として対人恐怖やうつ症状が出ているとします。この方法では、その症状そのものに働きかけることはあまりしません。どのような生き方が対人恐怖やうつ症状につながっているのかをクライエントの語りを通して理解していきます。

ユング派の分析療法では、夢や空想などの無意識の領域を扱います。クライエントが夢日記をつけ、カウンセラーと共に夢からどのようなことが思い浮かぶかを連想していきます。そうすることで人生のテーマや課題が見えてきます。このようなことに取り組んでいると表に現れている症状や問題が解消されていきます。

身体指向カウンセリング

身体指向カウンセリングとは、身体とのつながりを大切にする方法です。現代人の多くは考えることを重視して生きているため身体とつながっていません。身体は生命を維持するためにSOSサインを出していますが、私たちはそれを無視してしまうため負荷が大きくなり症状や問題として現れてしまいます。そのため身体とつながりその声をキャッチできるようになると悩みが解消されます。

身体指向カウンセリングの一つのソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)は、トラウマの解決のために作られた方法です。開発者のピーター・ラヴィーンは、トラウマは身体に閉じ込められていると言います。つらく大変なことを体験すると私たちの身体は命を守るために本能的な防衛反応が起こります。その反応をする際に身体の中には大きなエネルギーが発生します。動物は危険に遭遇すると戦う・逃げるという防衛反応をスムーズに行うのでエネルギーもスムーズに使われます。しかし、人間の場合には危険に遭遇しても戦う・逃げる防衛反応をスムーズに行うことができません。身体の中には防衛反応のエネルギーが未完了のまま残っているため症状として表れます。

症状には自律神経の昂りのものがあります。例えば、不安、パニック、多動、過剰な警戒、感情の氾濫、消化器系の問題、慢性的な痛み、不眠などです。自律神経が低くなりすぎた場合は症状は、うつ、感情が平坦、無気力、慢性疲労、解離、疲弊、低血圧、症候群、消化不良などが生じます。身体に働きかけて未完了となっている防衛反応のエネルギーがスムーズに表出されるとこれらの症状はよくなります。

まとめ

⒈カウンセリングを受ける場所は、学校や医療機関、相談機関があります。無料で受けられるところと有料のところがあります。

⒉カウンセリングの時間は、1回あたりの時間が決まっています。継続するペースはカウンセラーと話し合って決めます。終了までの期間は、医療機関では回数が決まっている場合がありますが、クライエントの状況に応じてさまざまに異なっています。

⒊カウンセリングの方法は、大きく分けると受容的カウンセリング、認知行動療法、精神分析的心理療法、身体指向カウンセリングがあります。

カウンセリングを受けてみたい場合

この記事を書いているのは臨床心理士と公認心理師の資格を持つカウンセラーです。カウンセリング歴は25年以上あり精神科や心療内科にも勤務してきました。また、大学で心理学の講義もしています。

専門はトラウマ解消です。身体指向カウンセリングのソマティック・エクスペリエンシング®️(SE™️)を実施する資格を持っています。トラウマが根っこにあると悩みや症状がなかなか解消されません。しかし、多くの人は自分にトラウマがあると気づいていません。トラウマから解放されて人生100年時代を健やかに生きましょう。カウンセリングに関心をお持ちの方はホームページをご覧ください。オンラインでのカウンセリングも行なっています。

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