【臨床心理士が教える】人間関係で悩まない人になる方法
目次
- ○ 私たちは言葉で魔法にかかってしまう
- ○ 言葉には多様な意味がある
- ○ 言葉の魔法のメカニズム
- ○ 言葉の魔法の解き方
- ○ 言葉の魔法を解くエクササイズ
- ○ 人間関係で悩まない人になるには
- ○ まとめ
私たちは言葉で魔法にかかってしまう
人は言葉でコミュニケーションをとっています。
誰かに何かを言われると私たちの心は影響を受けます。
嬉しいことを言われると嬉しくなるし、ひどいことを言われると傷つきます。
相手の言葉一つで私たちの感情はいろいろな気持ちになります。
いわば「言葉で魔法をかける」ようなものです。
猫や犬には言葉で魔法をかけることはできません。
赤ちゃんには言葉で魔法をかけることはできません。
知らない言語を話している人に言葉で魔法をかけることはできません。
つまり、自分と同じ言葉を理解する人だけに言葉で魔法をかけることができます。
そして、自分と同じ言葉を話す人から言葉の魔法をかけられています。
なぜこのようなことが起こるのでしょう。
言葉には多様な意味がある
例えば「やばい」「頑張れ」「ばか」という言葉があります。
「やばい」にはいろいろな意味がありますよね。
犬に追われて「やばかった」=危険
あそこのレストランのサーローインステーキ「やばいよ」=めっちゃ美味しい
彼の綺麗な瞳「やばい」=素敵
また「頑張れ」は言う方と言われる方では受け取り方が異なります。
マラソンランナーに「頑張れー」と手を振る=声援・・・ランナーは嬉しかったり鼓舞されます。
うつ病の人に「頑張れ」と言う=励ます・・・うつ病の人は頑張れと言われるとつらくなることが多いです。
「ばか」もいろいろな場面で使われますよね。
誰がこの窓割ったんだと先生に言われて「僕です」と正直に言った友達に「バカだなー」と言う。
黙っていればバレないのに馬鹿正直だなという意味で言ったのに、友達は見下されたと受け取って憤慨することもあります。
誰かに何かを言われたときに額面通りに受け取らず、言葉にはいろいろな意味があるということを覚えておきましょう。言われた言葉をそのまま受け取ると大きな誤解を生んでしまいます。
言葉の魔法のメカニズム
言葉によって私たちは魔法にかかってしまいますが、言葉の魔法にかかってしまうメカニズムを理解しておくことはとても大切です。
①相手は相手の持っている価値観(意味)で言う
例えば「いつ帰るの?」・・・滞在期間を訪ねている
②自分は自分の持っている価値観(意味)で理解する
「いつになったら帰るの?」と聞かれたと思う。
③相手の言葉に自分で意味を付け加える
早く帰ってほしいのかな。失礼な人だな。
④自分の感情や行動が影響を受ける
悲しい。頭にくる。「もういいよ。邪魔者は消えます」とすぐに帰ってしまう。
言葉の魔法の解き方
私たちは同じ言語を理解する人は同じ意味で言葉を発していると思い込んでいます。
しかし、そんなことはありません。
言葉は相手の口から出てくるものですが、相手の真意は分かりません。
思ってもいないことを言ってしまうこともありますよね。
言葉を字義通り受け取ると誤解が生まれます。
なぜならば、自分が理解したいように言葉を受け取るからです。
ここに言葉の魔法を解くヒントが隠れています。
言葉の魔法を解くエクササイズ
私たちは言葉で魔法にかかってしまいます。
言葉の魔法を解く簡単な方法をご紹介します。
①言われて傷ついた言葉をノートに書き出します。
こんなことも分からないなんて、本当に勉強してきたの?国家資格持っているの?
自分の価値観(意味)で受け取るので、怒りや悲しみなど強烈な感情が湧いてきます。
②書いた言葉をすべてローマ字にします。
KONNAKOTOMOWAKARANAINANTEHONTOUNIBENKYOUSITEKITANOKOTTKASIKAKUMOTTERUNO
自分が埋め込んだ価値観(意味)を取り除くために言葉をバラバラにします。
③ローマ字を初めてみる言語だと思い眺めます。
意味が含まれていないので、先に感じた強烈な感情は薄れます。
人間関係で悩まない人になるには
誰かに何かを言われて悩んでいる時どのようなことが起きているのか説明してきました。
人は言葉でコミュニケーションをとっていますが、言葉に振り回されないことが大切です。
私たちが人間関係で悩むのは相手の言葉を深読みしてしまうからです。
相手の言葉を深読みするということは自分で意味を付け加えていることです。
つまり、自分の思い込みを埋め込んでいます。
相手の真意は分かりません。
相手の言葉に自分が埋め込んだ意味を取り除くことが大切です。
言葉の魔法を解くエクササイズを続けることで、人間関係に悩まない人になることができます。
まとめ
私たちは言葉で魔法にかかってしまいます。
自分と同じ言葉を話す人から言葉の魔法をかけられています。
大切なことは言葉には多様な意味があることを忘れないことです。
言われた言葉をそのまま受け取ると大きな誤解を生んでしまいます。
言葉の魔法にはメカニズムがあります。
①相手は相手の持っている価値観(意味)で言う
②自分は自分の持っている価値観(意味)で理解する
③相手の言葉に自分で意味を付け加える
④自分の感情や行動が影響を受ける
言葉の魔法の解き方にはコツがあります。
言葉は相手の口から出てくるものですが、相手の真意は分かりません。
言葉の魔法を解くエクササイズを続けてみましょう。
①言われて傷ついた言葉をノートに書き出します。
②書いた言葉をすべてローマ字にします。
③ローマ字を初めてみる言語だと思い眺めます。
人間関係で悩まない人になるにはコツがあります。
相手の言葉に自分で埋め込んだ言葉の意味を取り除いてみましょう。