人間関係がうまくいかない時のヒント
目次
- ○ 投影という魔法
- ○ 人間関係で起こること
- ○ 投影とは
- ○ 投影の流れ
- ○ 思い込みは過去の再現
- ○ 投影の魔法を解く
- ○ 投影のカラクリ
- ○ 投影を引き戻す
- ○ ネガティブ・ケイパビリティ
- ○ 投影の魔法を解いてみましょう
- ○ ネガティブ・ケイパビリティを鍛える
- ○ 呼吸を意識する
- ○ まとめ
投影という魔法
人間関係で起こること
私たちは相手を見るとき、その人自身を見ていません。日々の生活の中で「この人はこういう人だ」という先入観ができてしまいます。昨日はそうだったけれど今日もそうなのでしょうか?「三日会わざれば刮目して見よ」という諺があります。先入観で見るのではなくよく目を開いて見ることが大切です。先入観で眼が曇ることを「思い込み」と言います。
あなたは曇りなき眼で相手を見ていますか?
曇った眼=思い込みで見ていませんか?
私たちには思い込みを相手に投影する心の癖があります。
投影とは
プロジェクションマッピングという作品があります。何もないところに光を投影し効果音を付けることでリアルなものが存在しているように見せる作品です。プロジェクションマッピングと同じように、私たちは世界に思い込みを投影しています。
投影の流れ
投影はとても単純なものです。一瞬で起きます。しかし、とても強烈な力を持っています。
①人の表情や態度、行動を見る
②思い込みを投影する
③そうに違いない!!となる。
人の表情や態度、行動から「そうに違いない!!」と思ったことありませんか?ちょっと振り返ってみましょう。
思い込みは過去の再現
思い込みを投影するわけですが、思い込みはどのように作られるか説明します。
①過去に何かを経験する
②思い込み(固定観念)ができる
③現在のよく分からない状況
④不安
⑤思い込みを投影する
例えば、私は小学生の頃に女の子にいじめられたことがありました。悪口を言われて悲しい思いをしていました。そのうち悪口は無くなったのですが思春期になって異性を意識し出してから「女子は俺のことを悪く思っている」という思い込みができました。固定観念とも言われます。実際はバカにはされていなかったのですが、女子と二人で話をするような場面になると相手の心の中は分からないので不安になります。そういう時にその女子が友達と話しながら私を見て笑ったのを見たりすると「あの子も悪く思っている」と思い込み、距離を取ろうとしたりします。
私たちは現実を見ていない。
私たちは思い込みを投影している。
このことを覚えておくと人生が開けてくるかもしれません。
投影の魔法を解く
私たちは知らず知らずのうちに思い込みを投影して生きています。投影という心の魔法にかかっている状態とも言えるでしょう。では、思い込みを投影せずに、曇りなき眼で相手を見るにはどうしたら良いでしょうか?まずは、投影という魔法のカラクリを見破っていくことが必要です。
投影のカラクリ
①人の表情や態度、行動
まずは相手からの何らかの情報があります。雰囲気、態度、目線、口調、表情などが見えます。
②現在のよく分からない状況
相手の情報だけでは心の中が分かりません。どう思っているのか分かりません。
③不安
すると不安になります。心が動揺します。
④思い込みを投影する
その時に出てくるのが思い込みです。多くは過去に自分が体験したことから学んだことですが、そのことを今の相手に投げかけます。
⑤そうに違いない!!
そして、自分で投影して、そうに違いないと強く思います。
⑥感情・行動
その結果、自分がイライラしたり、悲しくなったりと感情が揺さぶられ、その感情に基づいた行動を取ります。
投影を引き戻す
投影のカラクリがわかると、投げかけた投影を引き戻すことができます。
①人の表情や態度、行動
まずは、相手の雰囲気や表情、態度がありますよね。
②現在のよく分からない状況
それだけでは相手の心や気持ちが分からないですよね。
③グレーゾーンにいる
だったら「分からないなあ」でいればいいんです。これをグレーゾーンのままいると言います。白でも黒でもなくグレー。良いでも悪いでもなく「分からない」。この、グレーゾーンにいることがポイントです。
ネガティブ・ケイパビリティ
グレーゾーンにいる力は、ネガティブ・ケイパビリティとも呼ばれます。ネガティブ・ケイパビリティとは答えの出ない事態に耐える力です。私たちは、答えの出ない事態を耐えることが難しいです。
つまり、
不安 ⇨ 答えを出したい ⇨ 投影の魔法にかかる
不安 ⇨ 答えを出さない ⇨ 投影の魔法を解く
投影の魔法を解いてみましょう
表情や行動、態度から「そうに違いない」と答えを出したことを思い浮かべてください。ノートにメモをしても良いですね。
その後に、答えを出さずによく分からないままいるとどうなるかを確かめてみましょう。答えを出したけれど一旦保留にするということです。その状態にいることがグレーゾーンにいることです。どんな気持ちでしょうか?モヤモヤするかもしれません。
ネガティブ・ケイパビリティを鍛える
では、そのモヤモヤに耐えるにはどうしたらよいか。モヤモヤが嫌だから答えを出したくなります。モヤモヤに耐える力を身につけることをネガティブ・ケイパビリティを鍛えると言います。
呼吸を意識する
呼吸を意識してみましょう。深呼吸ではありません。吸う息よりも吐く息を長くします。少し鼻から息を吸って、口からフーッと長く息を吐いてみましょう。少し吸ってフーと長くです。それを繰り返してみましょう。このようにすることでグレーゾーンにいる力=ネガティブ・ケイパビリティを鍛えることができます。
投影を引き戻し、グレーゾーンにいることができるようになると、圧倒的に悩むことが少なくなります。思い込みを投影すると、その時は答えが出ますが、悩みにハマっていきます。
人間関係がうまくいかないなと思う時には、思い込みの投影をしていないか確かめてみてくださいね。
まとめ
①人間関係の悩みで起きていることは、思い込みの投影です。
②投影は一瞬で起きます。シンプルですが強烈です。
③思い込みは過去の再現です。
④投影のカラクリを知れば投影を引き戻すことができます。
⑤よく分からないまま=グレーゾーンにいることがポイントです。
⑥グレーゾーン=ネガティブ・ケイパビリティは鍛えることができます。