カウンセリングを受けるメリット
心理カウンセリングとは何?カウンセリングを受けた方がいいの?
これまでカウンセリングを受けたことがない人のために、臨床心理士と公認心理師を持つカウンセラーがわかりやすく説明しました。
目次
- ○ カウンセリングとは
- ・カウンセラーとは
- ・クライエントとは
- ・カウンセラーとクライエントの関係は
- ・守秘義務とは
- ・医療との連携とは
- ○ カウンセリングの効果
- ・厚生労働省のホームページには以下の点が述べられています
- ・悩み、症状や問題を解決できる
- ○ カウンセリングの流れ
- ・インテーク
- ・ラポールの形成
- ・カウンセラーに安心できない場合
- ・問題の解決
- ・終結
- ○ カウンセリングが必要な人
- ・日常生活に支障が出ている
- ・相談する人がいない
- ・つらい状態が続いている
- ・死にたい気持ちがある
- ・長年薬を飲んでいる
- ○ まとめ
- ・カウンセリングを受けてみたい場合は
- ・カウンセリングルーム風景
カウンセリングとは
カウンセラーとは
臨床心理学の専門的訓練を受け、人の心の健康や癒しについての確かな知識や技術を持つ人をカウンセラーと呼びます。
臨床心理学の専門的知識と技能をもとにカウンセラーはクライエントの相談を受け、クライアントの主訴(一番困っていること)の解決を目指していきます。
クライエントとは
何らかの悩みや症状、問題、苦しみを持ち、カウンセラーに相談する人をクライエントと呼びます。
クライエントは依頼人という意味です。
カウンセラーとクライエントの関係は
クライエントはカウンセラーになんでも相談できます。カウンセラーはクライエントの話に耳を傾け、共感し、受容します。
クライエントは誰にも話せないようなことも話すことができます。
親友のような関係ですがプライベートな付き合いはしません。時間と場所、料金などの枠組みを大切にします。
守秘義務とは
カウンセラーはクライエントからの相談を誰にも話しません。守秘義務と言います。
カウンセラーが指導的立場の人から助言を受ける場合には、クライエントに断った上でクライエントの話を指導的立場の人に話すこともあります。その場合も個人を特定できるような情報は伏せます。
医療との連携とは
国家資格である公認心理師の資格を持つカウンセラーは、クライエントに主治医がいる場合には、主治医の指示を受ける必要があります。
クライエントにとって一番適切な治療やケアとなるようにカウンセラーと医療が連携します。
カウンセリングの効果
厚生労働省のホームページには以下の点が述べられています
話をしっかり聞いてもらえる。
自分の考え方のくせや意外な長所に気づくことができる。
今抱えている問題を整理できる。
考え方をポジティブに切り換えられる。
人とうまく付き合うための自分なりの方法を見つけられる。
人として成長できる。
悩み、症状や問題を解決できる
クライエントの主訴(一番困っていること)を解決することが目的です。
カウンセラーはクライエントの話を聞きながら、どのようにすれば主訴を解決できるかを考えていきます。そのためにカウンセラーの方からクライエントに質問をしたり、提案をしたりすることもあります。カウンセラーは話を聴くだけ、クライエントは話をするだけではなく、二人でよく話し合います。
カウンセラーとクライエントは信頼関係があるチームです。二人で協力しながら主訴を解決していきます。
カウンセリングの流れ
インテーク
一番最初のカウンセリングはインテークや受理面接と呼ばれます。クライエントの主訴を聞き、どのようなカウンセリングが適しているのか判断します。
クライエントの話を聴きながらカウンセラーも質問していきます。現在の悩みの状態や過程、生育歴などを聴きます。
カウンセラーが複数いる場合には、インテーク面接を行う専門のカウンセラー(インテーカー)がいる場合もあります。インテーカーの情報をもとにクライエントの問題の解決に一番適した担当カウンセラーを選びます。
ラポールの形成
カウンセリングの初期は主にラポール(信頼関係)の形成を目指します。カウンセラーはクライエントのペースを尊重します。
クライエントが安心してカウンセラーに会えるようになるとラポールが形成されたことになります。信頼できない人には心の内は話せません。
クライエントによってはラポールの形成に時間がかかる場合もあります。
カウンセラーに安心できない場合
カウンセラーに会うといつも緊張してしまう場合はラポールができていません。その場合には二つの要因があります。
一つはカウンセラーとの相性の問題です。カウンセラーも人なので性格があります。どうしてもカウンセラーと合わない場合にはカウンセラーを交代することも大切です。
二つ目はクライエントの愛着に傷がある場合です。子供の頃に親や養育者に安心できなかった人はカウンセラーにも安心ができません。このような場合は愛着の傷の修復がカウンセリングの大きなテーマになります。
問題の解決
カウンセラーはクライエントの悩みや問題、症状が解決されるようにカウンセリングを進めていきます。
クライエントはカウンセラーに話しをするだけでも心が楽になります。
カウンセラーがクライエントを受容することで、クライエントは自分自身を受容することができるようになります。
大きな視点から見ると、人生で起きたことを受け入れられないために苦しみが生まれます。苦しみはとても重く一人で受け止めることが困難なことがあります。
カウンセラーに付き添われてクライエントは自分の心の器を柔らかく大きくしていきます。悩みや苦しみが無理なく心の器の中に収められるようになるとき問題は解決しています。
終結
カウンセリングには終わりがあります。クライエントの悩みが軽くなり、カウンセラーがいなくても対処できるようになると終結です。
しかし、急に終結することはありません。カウンセラーと終結について話し合い、少しずつカウンセリングの間隔を広げていきます。
終結した後もフォローアップ面接で近況を聞くこともあります。
親友同士が離れていても心が通じているように、クライエントにとってはカウンセラーは離れていても近くにいる存在です。大切な心の友として心の中に存在し続けます。
カウンセリングが必要な人
日常生活に支障が出ている
生きる上で悩みはつきものですよね。悩みがあっても日常生活は進んでいきます。しかし、日常生活に支障が出てくる場合もあります。
例えば、眠れなくなったり、食べられなくなったり、疲れが取れなくなったり、落ち込みから出られなくなったりします。
学校や仕事に行けなくなったり、人と会えなくなったり、電車に乗れなくなったり、お酒がやめられなくなったりします。
また、体に出る場合もあります。頭痛や腹痛が起きたり、めまいや吐き気が出たり、肩や首の凝りが強かったり、免疫不全になったり、高血圧になったりします。
このような場合はSOSサインが出ていると思ってください。
相談する人がいない
悩みがあっても話を聞いてくれる人がいると案外大丈夫です。分かってくれる人がいるということは心に余裕を与えてくれます。心の友ですね。
しかし、多くの人はアドバイスが大好きです。悩みを少し話すと「こうすればいいよ」「だからダメなんだよ」と返ってきます。
ただ話を聞いてもらいたい時にあれこれ言われるのはきついです。そういうことが続くと身近にいる人に悩みが話せなくなります。親や兄弟、友人、彼氏や彼女はいるけれど悩みは言えない場合はカウンセラーに話すことで楽になります。
つらい状態が続いている
何年も悩みが続いている場合があります。時には何十年にもなる場合もあります。
悩みには思考と感情が結びついているパターン(自動思考)がありますが、そのパターンに気づき、パターンを変えていくためにカウンセラーの知識や技術が役に立つことがあります。今の苦しみがずっと続くと思っているかもしれませんが、ちょっとしたコツで視野が広がり、悩みから出ることができる場合があります。
死にたい気持ちがある
死にたい気持ちがある時には誰かに打ち明けてください。家族でも友人でも学校の先生でも会社の同僚や先輩でもいいです。
あなたが一番安心できる人に話してください。あなたのつらさを分かってくれると思います。
中にはびっくりして「そんなこと言わないで」という人もいます。それでもあなたの言葉はその人の心の奥に届いています。すぐに言葉が返ってこなくてもあなたのことを大切に思っている人が必ずいます。
もし、打ち明ける人がいない場合にはカウンセラーに伝えてください。カウンセラーは専門家なので、あなたの死にたい気持ちを否定せずに受け止めてくれます。
長年薬を飲んでいる
精神科や心療内科で薬を服用しているけれどよくならない場合には、なんらかの原因があります。その原因を探っていくのがカウンセラーの仕事です。
もちろんカウンセラーはあなたの心の内側に土足で踏み込むようなことはしません。
あなたのことを尊重しながら、あなたがつらさに圧倒されないように、少しずつ原因を探ります。
カウンセラーとクライエントはチームです。一緒に悩みの根っこを探りあてていきます。根っこが解消されると表面に現れている悩みや症状も消えていきます。
まとめ
1. カウンセリングとは臨床心理学の専門的知識と技能を持つカウンセラーとクライエントがチームを組み主訴の解決を目指していきます。
2. カウンセリングの効果
話をしっかりと聞いてもらえることで問題を整理できたり、カウンセラーとクライエントがよく話し合うことで悩みが解決されます。
3. カウンセリングの流れ
初回はクライエントの悩みの概略を聞き、回数を重ねながらラポールを形成します。カウンセラーに受容されることで自己受容が進み、悩みや症状が解消するとカウンセリングは終結します。
4. カウンセリングが必要な人
日常生活に支障が出ていたり、長年苦しみが続いていたり、死にたい気持ちがある場合にはカウンセリングが必要です。また、薬だけではよくならない場合にもカウンセラーの知識や技術が役に立ちます。
カウンセリングを受けてみたい場合は
この記事を書いているのは臨床心理士と公認心理師の資格を持つカウンセラーです。カウンセリング歴は25年以上あり、精神科や心療内科にも勤務してきました。また、大学で心理学の講義もしています。
専門はトラウマ解消です。トラウマが根っこにあると悩みや症状がなかなか解消されません。しかし、多くの人は自分にトラウマがあると気づいていません。長年悩みが続いていたり、これまで医療やカウンセリングを受けてもよくならなかった場合にはトラウマが治癒できていない可能線があります。
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